国が進めている今後の日本の医療の形から、訪問看護への転職の是非を考えてみる

訪問看護や訪問リハビリへの転職を考えるとき、「自分に向いているか」だけでなく「この分野がこれからどうなっていくか」も気になるところです。国の医療政策は、病院中心の医療から在宅を含めた地域完結型の医療へと舵を切ってきました。

この記事では、厚生労働省が示してきた医療提供体制の方向性を整理しながら、訪問看護・訪問リハビリへの転職をどう考えればよいか、判断材料となる視点をまとめます。特定の職場を推す内容ではなく、制度の流れを知ったうえでご自身のキャリアと照らし合わせていただくための内容です。

国が描く医療提供体制の方向性

国は「地域包括ケアシステム」という考え方を軸に、住み慣れた地域で最期まで暮らし続けられる仕組みづくりを進めてきました。背景には、高齢者人口の増加と、病院のベッド数を無限に増やせないという現実的な制約があります。

  • 在院日数の短縮化と早期の在宅移行

  • 地域医療構想による病床機能の再編

  • 在宅医療・訪問看護・訪問リハビリの担い手の確保

  • 医療と介護の連携強化(多職種連携)

在宅医療・訪問看護が拡大している背景

訪問看護ステーションの数は年々増加傾向にあり、看護師だけでなくPT・OT・STが在籍する事業所も一般的になってきました。病院での急性期治療を終えた後、リハビリや医療的ケアを在宅で継続するニーズが高まっていることが一因です。

AIによる生成イメージ
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訪問看護・訪問リハビリで働くという選択

やりがいと感じられている点

  • 利用者の生活そのものに関わる実感が持てる

  • 一人ひとりとじっくり向き合う時間を取りやすい

  • 多職種(医師・ケアマネジャー等)との連携が学べる

  • 病棟とは異なる裁量を持てるケースが多い

事業所によって異なる働き方

項目傾向として見られる違い
直行直帰採用している事業所とオフィス出勤が必須の事業所がある
オンコール看護師のみ対応/PT・OTも輪番に入る等、事業所によって異なる
同行訪問期間1〜3ヶ月程度が目安とされることが多い
訪問件数1日あたりの目安件数は事業所の方針による
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転職を検討する前に確認しておきたいこと

制度の追い風があるからといって、誰にとっても訪問看護・訪問リハビリが最適とは限りません。単独での訪問に不安を感じる人もいれば、逆に裁量の大きさを魅力に感じる人もいます。

  • 一人で判断・対応する場面が増えることへの心構え

  • オンコール対応の有無と負担感

  • 教育体制・同行訪問の期間

  • 経験年数によって求められる役割が変わる可能性

まとめ:制度の流れと自分のキャリアを重ねて考える

国の医療政策は在宅シフトを進めており、訪問看護・訪問リハビリの担い手は今後も求められ続けると見られています。ただし、それは「転職すべき」という意味ではなく、選択肢の一つとして安定的に存在し続けるという意味です。

制度の背景を知った上で、ご自身が在宅の働き方に合っているか、どの事業所であれば無理なく力を発揮できそうか、じっくり比較検討することをおすすめします。

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看護師 PT OT ST

松丸智也
松丸智也
株式会社KNOT 代表取締役 / キャリアアドバイザー

理学療法士。約20年にわたり、病院・通所・訪問など幅広い現場で医療従事者として経験を積む。現在は別法人で訪問看護ステーションを運営しながら、株式会社KNOTの代表取締役としてキャリアアドバイザーを務める。現場と経営の両方の視点から、訪問看護・訪問リハビリなど在宅分野への転職相談に対応している。

監修者プロフィール